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アンサルド・ポッジ
 「アンサルド・ポッジ」(1893〜1984)は、イタリアのボローニャで生まれ、コンセルヴァトアールでヴァイオリンの演奏を学んだ後、18歳でアマチュアのヴァイオリン製作家だった父親と共に初めてヴァイオリンを製作します。

 その後、息子の才能に気付いた父親は、友人だった「ジョゼッペ・フィオリーニ」に息子を預ける事にします。この時期フィオリーニはドイツのミュンヘンで、“フィオリーニ&リガー”という楽器商を経営していて、楽器の修理、修復やディーリングでも活躍し、ドイツの楽器製作家協会の会長も務めていました。そんな多忙な日々を送ってフィオリーニですが、そろそろ楽器製作家に戻りたいと思いはじめていたのです。そして、1914年から第一次世界大戦が勃発し、フィオリーニがミュンヘンからスイスのチューリッヒへ移り住んで楽器製作を行っていたため、ポッジもチューリヒに移り、修行に励みました。そこでポッジはその才能を発揮して見事な楽器を製作することにより、すぐにフィオリーニに認めらたため、この時期以降のフィオリーニの作品にはポッジが製作したと思われる作品も見受けられます。



 世界大戦後、ポッジはボローニャへ戻り、「ストラディヴァリ」コピーの“フィオリーニスタイル”の製作で益々その才能を開花させていき、1920年代の第一黄金期を迎えるのです。
その証とも言うべく1923年にはヴァイオリン製作コンクールでシルバーメダルを、そして、1925年、1927年、1929年の3つのゴールドメダルを獲得します。


 この頃イタリアのロマーニャ地方では、楽器の基本的骨格となる型を作るのに、外枠の型を使用していましたが、ポッジはフィオリーニに倣って内枠の型を使用しました。これは、フィオリーニが世界的ヴァイオリン収集家で、「J.B.ガダニーニ」のパトロンでもあったサラブエ候コジオ伯爵から、ストラディバリの遺産の型や道具を買い受け、その製作方法を研究していた事に由来します。
この事は、後のイタリアのヴァイオリン製作に大きな影響をもたらすことになるのです。



アンサルド・ポッジ そして、1930年代になるとポッジは、時に「ガルネリ」コピーの楽器も製作しながら、自身のスタイルを模索して行きます。F字孔は繊細かつシャープな独自のスタイルで、パフリングは美しくキレがあり、細工の仕上げなどの刃物使いは超一級のテクニックを持っていました。そのため、作品の全体的な印象もシャープでキレがありすぎ、時に他のイタリアンヴァイオリンメーカーと比べ、冷たい印象を持たせてしまう事もありました。
しかしながら、ヴァイオリンの演奏にも優れていたポッジは、音の調整面にも非常に拘り、表板から裏板の隅々までに振動が行き渡るよう、材質によっての板の厚みのバランスを極限まで求めながら、レスポンスよく立ち上がりの早い独自の音鳴りと、力強いボリューム、しなやかで明るく美しい音色を併せ持つ素晴らしい楽器を製作していきます。
音色に影響を及ぼすニスは、レディッシュゴールドやオレンジゴールド、ピンキーイエローなど、非常に質感がよく綺麗なものばかりです。

 1940年代は、第二次大戦の影響であまり楽器を製作出来ませんでしたが、この時期も安定して良い楽器を製作しており、楽器の内部に手書きのサインが書かれている楽器があります。

 1950年代になると、自身のスタイルを完全に確立して第二黄金期を迎えます。
その作品は、ストラディバリの型を基本に、ガルネリ的な力強さと独自のスタイルをバランス良く組合せた、非常に完成度の高い見事な作品ばかりで、第一黄金期のしなやかな女性的美しさと比べると、少々固く頑固で男性的な力強さを感じさせます。 近年可能になった、“デンドロコロジー”という年代鑑定でこの頃のポッジの作品を鑑定した所、300年ほど前の材料で製作されているものがあるという事が分かりました。おそらく、古い教会などの修繕や改築の際に不要になった木材を譲り受けて楽器製作に使用していたものと考えられています。

アンサルド・ポッジ  1960年半ばまでがこの第二黄金期になりますが、その後は、弟子の「ジャンカルロ・グッチャルディ」と共に楽器製作に励みます。このグッチャルディもまた技術面で非常に優れた製作家でした。この頃の彼の作品は、ポッジと全く見分けがつかないほど素晴らしい作品ばかりですが、鑑定の見地から見ると、ある部分にポッジとの違いが明確に表れています。



 そしてポッジは、1984年に他界するまで楽器製作を続けますが、彼が製作した素晴らしい作品は、ヴァイオリニストの巨匠「オイストラフ」や「ミルスタイン」などにも使用され、数あるモダンイタリアンメーカーの中でも、もっともストラディバリに近い20世紀を代表するヴァイオリン製作家と評され、現在も非常に多くの著名演奏家、収集家、ディーラーなどに求められているのです。









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