POIRSON, Dominique  通称 ‘Justin POIRSON’1851 - 1925
ジュスタン・ポワソン



ジュスタン・ポワソンは多くの謎に包まれた人物で、その生涯が明らかではありません。
後期は弓製作の仕事以外にも、何か大きな秘密を抱えていたようで、製作に集中する事が出来ず、作品にその心の動揺が表れています。


【 Dominique POIRSON の生涯 】
18518月3日 ミルクールで生まれる。
父 Joseph Poirson はワインメーカーであった。
186514歳Nicolas MALINE に弓製作を習いはじめた。
187019歳修行を終え、パリの J.B.VUILLAUME の工房で働き始めた。
彼の弓のスタイルが VOIRIN の影響を受けている事から、Vuillaume の下へ行く少し前に F.N.VOIRIN と接触があったと考えられている。
187524歳J.B.VUILLAUME が他界した事をきっかけに、GAND & BERNARDEL の工房に職場を移した。この工房では、POISON の製作する VOIRIN スタイルの弓が好まれ、評価されていた。
187928歳パリに自分の店を構えた。
彼の才能が最も発揮された時期であったが、同世代に活躍していた職人達の作品と比べると、やや見劣りする。
この時期から、彼の仕事に対する真剣みや集中力がやや欠けてくる。以前よりも弓は重くなり、作りが雑になってきた。
189039歳年を重ねる事に、彼の作品は品質の低下が見られる。
192574歳パリの外れ Port de Saint Ouen で他界した。


ジュスタン・ポワソンは何者かに暗殺されたという劇的な最期を迎え、この世を去りました。彼は最後の時期、パリの外れにある洞窟の中に隠れ家を作り、その中で暮らしていたようです。彼の製作した弓の品質は様々ですが、初期の頃の作品に、とても出来の良い弓があります。