「ジョゼッペ・アントニオ・ロッカ」(1807〜1865)は、師「フランチェスコ・プレセンダ」と並び、19世紀のイタリアを代表するトップ2の製作家です。
しかし当時は、経済的にも人間関係においても非常に困難な波乱万丈の人生を送りました。そのため彼の楽器は、製作された時期により作品毎の完成度が大きく異なります。

1842年にヴァイオリンハンターの名で知られる「ルイジ・タリシオ」と運命的な出会いを果たしてから、それを機に彼がコレクションする銘器を目の当たりにして弦楽器の製作に励んだ1851年までが、「ロッカ」の黄金期となります。以降、借金を抱えながら影をひそめる様にジェノバで製作を続けますが、それらの作品は、黄金期の作品とは一線を画します。

本作品は「ロッカ」の黄金期の中の黄金期である1845年に製作された「ストラディヴァリ」“メサイヤ”の完全コピー楽器で、作品のフォルム、サイズ感、アーチ、細工、材質、ニス、それら全てにおいて非の打ち所のない完璧な作品で、オリジナル・ニスの残存率も95%以上となります。






「ロッカ」の解説

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