「カルロ・ジュゼッペ・テストーレ」(1660〜1716)は、17世紀末から18世紀初頭にかけて活躍したミラノ派を代表する一族の名工として知られています。

イタリアのノヴァーラで生まれ、1680年頃にミラノで「ジョバンニ・グランチーノ」に弟子入りし、その後ミラノの中心街 “Contrada Larga” (コントラーダ・ラルガ)で工房を構えます。
その作品は、アマティーやストラディヴァリの影響を受けながらも、ガルネリのアーチやサウンドホールに触発された独自の個性を持っていて、実用性重視の作風としても知られております。

ニスはイエローゴールドの下地の上に、琥珀色の深い色味を持つ作品が多く、時にパフリングなどの装飾を省いたシンプルな外観や、斜めに傾斜した膨らみを持つスクロールの渦巻きは、一目でテストーレ一族の作品だと分かるほど個性豊かなものになっております。

音響面においても、独自の味わいと個性豊かな倍音の響きを持っていて、クラシックの室内楽からソリストまで、幅広く求められております。

アウグスト・ウィルヘルミ

本作品は、銘器「ガルネリ・デル・ジェス」を連想させるような力強い作品で、装飾や細工を省くなどの手抜きも一切なく、テストーレ渾身の秀作であることが窺えます。また、ドイツの著名なヴァイオリン奏者「アウグスト・ウィルヘルミ」(1845〜1908)によって演奏されていたことでも知られております。




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