LOTTE, Francois1889 - 1970
フランソワ・ロッテ



フランソワ・ロッテは、20世紀の始め頃にバザン工房で弓製作を学び、その後クニオ・ユーリの工房を経て、自分の店を構えました。また、彼はE.A.ウーシャの姉と結婚した事から、両者の間にも何らかの接点があったのではないでしょうか。


【 Francois LOTTE の生涯 】
18895月15日 ミルクールで生まれる。
バイオリンメーカーであった父 Georges は当時 J.B.VUILLAUME の下請けとして働き、後に DERAZEY の下請けも引き受けていた人であった。
彼は第一次世界大戦で出征したが、ドイツ軍の捕虜となった。
191930歳戦後 E.A.OUCHARD の姉 Marguerite と結婚。彼らは沢山の子供に恵まれたが、この仕事に携わったのは弓職人となった Roger Francois とバイオリン工房で働くようになった Michael の2人だけであった。
192132歳この時期まで BAZIN 工房の職人リストに載っている事から、この工房で弓製作の手習いを受けたと考えられる。
192233歳CUNIOT-HURY の工房で働き始めた。
192536歳工房を出て、弓製作者の BROUILLIER と共同経営を始めた。
この頃の作品はとても丁寧に作られ、エレガントで丸みを帯びていた。以前よりもヘッドのほほ部分が平らで、上部は角ばっている。
192637歳共同経営はあまり上手くいかなかったので、ミルクールに自分自身の店を構えた。
193142歳2度引越してミルクールの Breuil に落ち着く。
この頃工房で雇っていた職人は、Rene BERNARD、Marcel Charles LAPIERRE、Marcel MANGNET。
この頃から彼の弓のモデルはより力強いものになっていった。
194051歳息子の Roger Francois をアシスタントにする。
196071歳仕事をリタイヤして息子に工房を引き継いだ。
197081歳3月21日に他界。


フランソワ・ロッテの作品は後期になるにつれ、丸みを帯びた弓からやや角ばった力強いものへと変化していきました。息子のロジェ・フランソワ・ロッテは父親の下で弓製作を学び、その後期のモデルを取り入れて製作しました。
フランソワ・ロッテは大量に作品を残し、その一部にはとても品質の良い弓もあります。